蒼い炎
「テオファニス様、子は親が傍にいないと不安なんですよ。今までは起きた時に丁度テオファニス様が傍にいらっしゃっていましたが、今日はファナ様が早くお目覚めになったようですね」
いつもならリリスが微笑めばちょっかいを出そうとするのにファナは俺だけに視線を向ける。だが、それでも納得はできなかった。
「…待っていれば来ると分かっていたはずだろう」
「いいえ。ファナ様はいつもそばにいてくれると思っていたテオファニス様がいらっしゃらないことが怖くて仕方なかったのです。そのうち来てくれるなんて余裕はないんですよ」
それで屋敷を歩き回り、たまたま玄関前に来てしまったということか?
ファナに視線を落とすと、裸足の足は少し汚れ、夜着のままのせいか体が冷えていることに気づく。
「ファナ、怖かったのか」
返事はないが、離れようとしない。それが答えなのだろう。