蒼い炎
両肩を掴み、引き離すと膝を折って視線を合わせる。
「ファナ、なぜ呼び方を変えた」
「ん…?」
「テオと呼べ。ファナ、お前が様付けで呼ぶな」
「でも…」
困った顔を浮かべるのはなぜだ。今朝まで躊躇なくテオと連発してただろうに。
答えの返って来ないファナから、ファナの後ろで苦笑を浮かべているリリスに視線を向ける。リリスは困ったようにファナに視線を向け、俺に頭を下げる。
「申し訳ありません、テオファニス様。本日は敬称や敬語のお勉強でしたので、ファナ様は私やキリル様のようにするのが正しいのだと思われてしまって…」
「…ファナ、それはお前が俺に使わなくてもいいものだ」
「で、でも…。テオっんぐ!?」
「いいな?ファナ」
口を手でふさぎ、脅しをかけるように睨みつけると、ファナは必死に頷く。
まったく、覚えがいいのは鼻が高いが、少々素直すぎる。