蒼い炎

 うつむいてもじもじし始めるファナは必死に言葉を探しているようにも見える。イライラを抑え、ファナの言葉を待った。
「…よ、よごれちゃうの、やなの…」
「ドレスをか?」
 頷いたファナは顔を上げ、視線を合わせてくる。
「テオが、かってくれた。…から、だいじなの!」
 言葉をかき集めて精いっぱい気持ちを言葉にする。無粋な質問をしてしまったようだ。
 ファナの頭を撫で、小さな体を抱きしめる。
「ファナ、すまなかった。機嫌を損ねないでくれ」
「…テオ?」
「ドレスなら、好きなだけ買ってやる。だから、気にしなくていいんだ。こんな古着を着るのではなく、着飾って俺を喜ばせろ」
「…テオ、ドレスしゅき?」
「ファナが着ている姿がな。分かったか?」
「うん」
「いい子だ」
 頭を撫で、抱き着いてきたファナを抱き上げる。開いたイスに腰掛け、ファナを膝の上に乗せる。
< 62 / 143 >

この作品をシェア

pagetop