蒼い炎

「何があった」
「そ、それが、ヴァンピール王子がいらして」
「ッチ。リリスを出すなよ。ファナも1階には来るな」
 ファナをベッドに下ろし、キリルを連れて1階に向かう。
 まさか王子直々に来るとはな…。城はよっぽど暇らしい。
 1階に降りると、我が物顔でホールの中心で腕を組む銀髪の男。人間で言えば20くらいか。威圧感の強い目の眼光を鋭くさせ、睨みつけてくる。
「これはこれはヴァンピール王子。遠路遥々ようこそお越しくださいました」
 階段を降り切り、王子の前で足を止める。社交的な挨拶をしたつもりだったが、気に召さなかったらしい。
「貴様、今度は何を隠す」
 こちらの挨拶など一切無視して切り込んでくるとは…。まぁ、その方が楽か。
 胡散臭い笑みを捨て、王子に向かう。
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