蒼い炎

「別に、何も隠してなどいないが?」
「使者に保護した幼児の所在を尋ねられたはずだ」
「“保護した”幼児など、この屋敷にいないがな」
「貴様が人間の世界から同胞の幼児を連れ帰ったことは知っている。その幼児を出せ」
「そいつなら、俺が責任を持って親を探している最中だ。王子の手を煩わせるまでもない」
 やはり、ファナの回収か。
 気に食わない。王族どもの考えは傲慢すぎる。ファナをあのような場所になど、やるわけにはいかない…。
「貴様、どうやら自覚が足りんようだな」
「ほぉ?自覚とは何のことだ」
「分からないなら、教えてやる」
 王子が右手を上げるなり、控えていた奴らが一斉に俺を取り囲む。
 その輪の外でキリルが声を上げるが、睨みつけて黙らせる。
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