蒼い炎

「ファナ様?」
 呼吸が速いことも、自然と溢れてくる涙もファナには何もわからなかった。
 ただただ、意識が戻らないテオファニスに誰かの影が重なる光景を見せつけられている。
 いや、だ…。
 女の人がどうなったかなんて嫌でも分かる。
 もし、もしテオまでいなくなったら…。
 いやだ。いや、絶対に…。
「…ッいやだぁぁあああああ!!!」
 胸を押さえ、叫んだファナを中心に突然光の球が溢れる。蛍の光のように淡い光は宙を漂い、揺れ動く。
「…ッ」
「テオファニス様!?」
 意識が戻らなかったはずのテオファニスの意識がかすかに戻る。ゆっくりと目を覚ましたテオファニスにキリルは安堵の息をこぼしたのが見えた。
 突如全身から力を抜き取られるような感覚に襲われる。
 徐々に意識が遠のいていくのに逆らえず、目を閉じた。
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