蒼い炎
1.赤子のような

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「目が覚めたか」
「はぁ…はぁ…」
 コツコツと軽快な音を出しながら近づいて来る気配。
 下がりかけた瞼を上げ、気だるげに顔を少し上に向けた少女。
 銀色の髪に、赤い瞳。180cmはあろうかと言う長身に加え、美しいその容姿を持つ青年は無表情に少女を見下ろす。無表情であるがゆえにその瞳はあまりにも冷たい。
「礼の1つも言えないのか」
「はぁ…はぁ…」
(だ、れ…)
 ただただ荒い呼吸を繰り返す少女を青年は鼻で笑う。
「まぁいい。それよりも、なぜ人の世にいた。お前の親は誰だ」
「はぁ…はぁ…」
「答えろ。娘」
(ヒトノヨ…。オヤ…)
 酷く低い声で脅すように問いかけたのにもかかわらず、少女は恐れない。いや、理解できなかったのだ。
 青年が言っていることを、試されるという恐怖を。
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