蒼い炎
屋敷に入って来たステファナは物珍しそうな顔で屋敷を眺める。それを放置してすぐ手前の部屋のドアを開ける。
「少しだけだ。そうしたら帰れ」
「テオファニス様の意地悪」
むくれた顔を見せながらも、ステファナは部屋に続いて入ってくる。
話と言っても、ステファナが一方的に話をする。そんな状況だったが、ステファナは勝手に満足して、勝手に約束を押し付けて意気揚々と帰っていく。
だが、それに俺は満足感を得ていた。ステファナが訪ねてきて、一方的に話し続けることに。そして、彼女を愛してしまった。
「ステファナ」
「はい?」
「もう、ここに来るのはやめろ」
「…嫌です」
気づいたからこそ、俺だったからこそ、突き放すことが最善だった。
俺の能力は、同胞すら死に至らしめる。だからこそ、1人、集落から外れた荒れた大地の奥で佇むこの屋敷にいたというのに。そこに彼女がいてはダメなのだ。