蒼い炎

 とにかくステファナを客間に通して座らせる。だが、ステファナの手は俺の服を離さず、結局隣に座り、彼女をなだめる。
 ステファナは先の話を、詳しく口にした。
 数百年前、ヴリコラカス王が妻を娶った時、ステファナの母に当たる者が王の花嫁として城に嫁いだらしい。当時の花嫁…側室の人数は20名。ステファナの母もその1人であった。
 やがて、正室、ラミア様との間に現在の王子であるヴァンピール王子が生まれる。それを機に、子を宿すことがなかった側室たちは故郷に帰された。莫大な財と共に…。
「そのような、噂が流れました。しかし、母は…いいえ、子を宿した側室でさえ、その姿を見せることはありませんでした」
「ッ!?子を宿したのは側室だったのか!?」
 ステファナは頷くと更に話を続ける。
 王は、生まれた王子が正室との子であると公表した。側室の花嫁たちはもちろん、声を上げた。だが、王は彼女たちをまとめて人の世に送り込んだ。
 側室の花嫁たちはエクソシストたちに殺され、その一部は捕えられたと聞く。
「王は、花嫁たちに事実が公表されるのを疎んだのです。だから、母様も…」
「…なぜ、お前がそのようなことを」
「ッ母から送られてきた手紙に込められた思いを解いたのです。母は能力持ちで、物に思念を記憶させることが出来たから…」
 ステファナはそれ以上言葉にできず、むせび泣き始めた。肩を抱き、なだめるが、頭は別のところにあった。
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