蒼い炎

 王は、数少ない同胞をいとも簡単に切り捨てた。いくら彼にとって都合の悪い事実であったとはいえ、このようなこと…。
 泣き続けるステファナを見下ろす。ステファナが正室になることはない。彼女は側室として王族に娶られる。だとすれば、彼女もまた、彼女の母の二の舞になるのではないか。
 こんなにも、優しくまっすぐな彼女が、王の駒になる。そんなこと、許せない。
 湧き上がった感情は怒。そして、決意したのは、王への反逆。
「ステファナ」
「ッはい…」
「お前を攫う。だが、そうすればお前は一生ここで籠の中の鳥だ。親に会うことも許せない。お前は、俺の傍にあり続けろ」
「ッ…はい!」
 涙をこぼしながらも笑顔を浮かべた彼女はよく知るあの無邪気な笑みを浮かべていた。
 彼女が泣き止むまで、俺はステファナの細い肩を抱きしめていた。
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