蒼い炎

 数刻後、花嫁を迎えに来た王子の一行は、花嫁が消えたことを告げられる。
 一斉捜索がかけられたのは言うまでもない。だが、いくら街を探っても花嫁はみつかならなかった。当たり前だ。花嫁は荒れた大地に住まう者の元へ自らを捧げたのだから。
 王子の一行がそのことを知ったのは、日付が変わってからだった。
 花嫁が荒れた大地に向かったという目撃証言を受け、王子の一行は荒れた大地に住まう者の元へと訪れた。
 激しく叩かれるノックに、ステファナの体は跳ねる。来ることは分かっていた。
 ステファナをその場に残し、激しく叩かれる玄関へ向かう。その戸を開けた瞬間、伸びてきた刃に半歩下がる。喉元に突き付けられる刃。目の前には、花嫁を迎えに来た王子。
 初めて会ったが、随分青い。ステファナが生まれた時期より1つ時期早いくらいだろうと王子の力を推し量り、笑みを浮かべる。
「これはこれは、初めまして。このような荒れた土地に王子自らお越しくださるとは、感激いたします」
「花嫁はどこだ」
 やれやれ、王子は礼儀さえわきまえていないらしい。それに、完全に敵だと決めつけた目が気に食わない。
 ステファナの話を聞くまでもない。このような王子に取られるくらいならばいっそ、罪人でもなろう。
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