蒼い炎
茨を操り、怯える兵士の1人を絡め取る。
「ッひ…た、助けてくれぇぇぇえええ!!?」
悲鳴を上げ、手を伸ばす兵士に手を差し伸べる者など、誰もいない。茨が兵士を包み込んで、その姿を隠していく。同時に膨らみ、色づいていくつぼみ。
俺が、このような荒れ果てた土地で、他の同胞から離れ暮らす理由。
それが、この破滅の力。
悲鳴が止み、茨の中から出てきたのはドクロと、ドクロが纏う兵士の服のみ。息を飲む王子たちの目の前で、真っ赤な花が開いた。
相手の生命力を奪い、咲かせる花はその者の命の長さの分だけ咲き続ける。
相手が生きるものならば、能力は通用する。同胞さえ殺せるその力に、俺は弾き者とされた。だから、俺は同胞より離れこのような荒れた土地に住まう。
「王との締約は、俺がここに住まうこと。その代わり、俺はこの屋敷内での自由が認められた」
「なんだと…」
「つまり、この屋敷の中では王でさえ、俺に逆らうことは出来ない。さぁ王子、貴殿はここへ足を踏み入れるかな?」
両手を広げ、歓迎するとでも言うように微笑む。
屋敷の入り口を塞いでいた茨は退き、ぽっかりと口を開ける入口に、誰も足を踏み入れることはなかった。
王子もまた、その場に留まり舌打ちをするのみ。