蒼い炎
「…ッ」
「テオファニス様…」
目を覚ますと、彼女の顔が目の前にある。頭が温かい。…彼女の膝に頭を預けているのか。重かっただろうに。
ステファナの頬に手を伸ばして気づく。彼女の頬には不自然な光沢がある。それを指先でそっとなぞる。
「…ステファナ、泣いたのか」
「っ…テオファニス様がいきなりお倒れになるからです」
「…すまんな」
身を起こすと、残念そうな顔が返って来る。
どれほどの時間眠っていたのか…。時計を見上げれば既に我々の活動時間を過ぎていた。
なるほど、道理で体が重い。
俺の能力は破滅。命あるものをすべて花へと変える能力。
だが、万能ではない。俺の能力の枷は、命奪った者の行く末を見せつけられ、精神を病ませるもの。だから乱用などできない。繰り返せば己が壊れるのは必須。だからこそ、能力は有事の際を除いて使うことなどなかった。
だからと言っても、同胞殺しが出来る俺を同胞は疎んだ。
だから街を離れた。だから1人でいた。
なのに、そこに彼女がいる。これは、許されることなのだろうか。