ディープ・アフェクション
完全に意識が違うところにトリップしてしまっていたけど、そういえば今は“放課後デート”とやらの真っ只中だった。
「どうした?気分悪い?」
「っいえ、全然!」
ブンブンと首を横に振る私に先輩は「ほんと?」と少し疑うような眼差しを向けてくるから「本当です」と頬を持ち上げた。
「ならいいんだけど、もし体調悪かったりしたら遠慮なく言ってね」
「はい」
素直に頷いた私に満足したような笑みを見せた先輩は、すぐにポケットからスマホを取り出し、それを操作しながら口を開いた。
「里茉ちゃん、今なんか食べれそう?」
「少しなら食べれると思いますけど…」
「じゃあちょっと連れて行きたい所があるんだよね」
付いてきてくれる?と首を傾げる先輩に、これまたこくりと頷いた。
ナチュラルに私の右手を取った先輩は、指の一本一本を絡ませるように繋いだ。
所謂、“恋人繋ぎ”というやつだ。
「……」
きゅっと繋がれた手を、私は無心でみつめていた。