ディープ・アフェクション
これは、私がここ数日間でずっと考えていたことだ。
「んー……そうかもね」
机の木目を意味もなくジッと見つめていると、少し控えめな友人の声が降ってきた。辿るように視線を持ち上げると、友人はカフェオレのパックジュースにストローを刺しながら再び口を開く。
「“好き”ってさ、なろうとしてなってるもんじゃなくて、気づいたらなってるものだしなぁ」
「やっぱりそうだよね…」
「うん。それにお試しとは言え、そういう同情?みたいな感覚でずっと居られるのは嫌だと思う。あたしは可能性がないに近いならハッキリと言って欲しいかな」
「…私も、そう思う」
「まぁ、お試しっていう方法を勧めたあたしが言えたことじゃないかもしれないけどね」
バツが悪そうに笑った友人に、私は「そんなことないよ」と返しながら首を横に振った。
「とにかくさぁ、もやもやしてんなら早いとこ先輩と話して解決してよ」
多少 投げやりにそう言った友人はカフェオレをストローで啜ってから、もう一度口を開いた。
「元気ない里茉とか正直キモいから」
「ちょ、キモいはひどくない?」
ケラケラと笑う友人をジト目で見つつも、自分の頭の中ではもう答えが出ていた。
私もずっと前から気づいていたんだ、このままじゃダメだって。
「…私、先輩と話すよ」
か細い声で、決意表明のような事を口走った私に、友人はまるで私を安心させるような笑みを浮かべてから、元気づけるようにポンっと肩を叩いてくれた。