最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 だが、今でも兄の母にわだかまりを持っている母が、セシリアが懇願したところでその考えを変えるだろうか。
(無理ね)
 むしろ、母に会えるかどうかもわからない。
 自分にとって、何が一番大切なのか。
 じっくりと考えた上で、セシリアは結論を出した。
(儀式に、ちゃんと出席しよう)
 準備やリハーサルだけではなく、最初から最後まできちんと、父の代理として。
(王都の結界は、アルヴィンがわたしのためにやってくれることよ。わたしはそれを、きちんと傍で見届けなくてはならないわ)
 彼は、自分の守護騎士なのだ。
 父はともかく、兄に従わせるようなことはしたくない。
 兄には恨まれるかもしれない。
 だが、母が後継者を意識する前に自分から動き、公爵家を継ぎたいと明確な意思を示せば、父はあっさりと兄を指名しただろう。
 爵位も後継者も、父にとってはどうでもいいことなのだから。
 それを何の努力もせず、自ら動こうとせずにただ待っていたのに、セシリアが指名された途端に恨むなんて、言語道断だ。
 じっくりと考えた上で、そう決めたと伝えると、アルヴィンはセシリアの意志を尊重してくれた。
 
< 176 / 318 >

この作品をシェア

pagetop