最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 彼はもちろん、ブランジーニ公爵家の紋章が入った騎士服だ。儀式用だからか、いつもよりも煌びやかな装飾が、彼の美貌によく似合っている。
 思わず見惚れていると、緊張しているのか、と優しく聞かれた。
「……少しだけ。でも、アルヴィンと一緒だから大丈夫よ」
 綺麗に飾った髪が乱れないように気を付けながら、アルヴィンの肩に寄り掛かる。
 こうして寄り添っていると、とても心が穏やかになる。
 どんな困難が待ち受けていたとしても、ふたりならきっと乗り越えられる。
 そんな気持ちになれる。
 王城に辿り着くと、まず王太子アレクと王女のミルファーに到着の挨拶に向かった。
 王太子のアレクだけではなく、ミルファーも今日の儀式には参列するようだ。
(そういえば……)
 ふとセシリアは、彼女が自分の部屋を訪ねてきたときに見た、冷たい瞳を思い出す。あれは本当に見間違いだったのだろうか。
 こうして顔を合わせてみると、彼女はとても控えめで、優しい笑顔を浮かべている。緊張している様子の兄を気遣い、セシリアとアルヴィンに、王家の都合で仰々しい儀式にしてしまったことを詫びてくれた。
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