僕惚れ②『温泉へ行こう!』
***
どうやら正木くんも私たちと同じ駅で降りるらしい。
それを聞いた瞬間の理人の顔を思い出すと、測らず溜息がこぼれる。
(機嫌、悪そうだなぁ)
始終ニコニコと笑顔だけど、それ自体が常態ではない。
(絶対物凄く機嫌が悪い……)
理人の横顔を見て、私は何度目になるか分からない密かな吐息を漏らした。
「葵咲、元気ないけど大丈夫? 気分悪かったりする?」
そんな中でも、理人は私の変化にはとても敏感で。
「ううん。そういうわけじゃないの。新幹線に乗るの、久しぶりだったからちょっと疲れちゃっただけ……」
実際はこの空気が耐えられなくてのことなんだけど、二人が笑顔で取り繕っている以上、私が敢えて指摘するのもおかしいかなって思った。
どうやら正木くんも私たちと同じ駅で降りるらしい。
それを聞いた瞬間の理人の顔を思い出すと、測らず溜息がこぼれる。
(機嫌、悪そうだなぁ)
始終ニコニコと笑顔だけど、それ自体が常態ではない。
(絶対物凄く機嫌が悪い……)
理人の横顔を見て、私は何度目になるか分からない密かな吐息を漏らした。
「葵咲、元気ないけど大丈夫? 気分悪かったりする?」
そんな中でも、理人は私の変化にはとても敏感で。
「ううん。そういうわけじゃないの。新幹線に乗るの、久しぶりだったからちょっと疲れちゃっただけ……」
実際はこの空気が耐えられなくてのことなんだけど、二人が笑顔で取り繕っている以上、私が敢えて指摘するのもおかしいかなって思った。