ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「ばあば、あっち」

 蒼斗が母親を指差して足をバタバタさせた。

「ばあばの隣がいいの?」

「うん!」

 どうしようかと困惑したが、母親が「おいで」と言って手招きしたので、まあいいかと蒼斗の言い分を聞き入れる。

 引っ越してからも蒼さんが在宅していない休日は母親のアパートに遊びに行っていたし、しょっちゅうテレビ通話もするのでふたりは仲よしだ。

 蒼さんが子供用椅子を持ち上げて両親のあいだに置いた。

 蒼斗と父親は初対面だ。人見知りをするけれど大丈夫かな。

「じじい?」

 こちらの心配をよそに、父親を指差した蒼斗が首を傾げた。

 全員から笑いを堪える声が漏れる。蒼さんがすかさずレクチャーした。

「惜しい。じじいじゃなくて、じ、い、じ、だ」

「じ、じ、い」

 耐えきれていない蒼さんはクックッと喉を鳴らしている。
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