ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「……お父さん久しぶり」

「あ、ああ。元気にしていたか?」

「お父さんよりは元気だったんじゃないかな。肝炎になったって聞いたよ」

 しょんぼりと眉根を下げた顔を静かに眺める。

 老けたなあ……。

 そう感じるほど長い間会っていなかったのだと、寂しい感情が胸に広がった。

「アルコールは止めたんだ。だから体調も回復したし、再発の可能性も低いはずだ」

「そっか。身体は大切にしてね」

 ぎこちなさは残っているけれど、最悪な別れをした私たちにしてはスムーズに会話ができている。

 料理が運ばれてきて場は一層なごやかな雰囲気になった。終始落ち着かない蒼斗の世話を焼く両親のおかげで、集中して料理に手をつけることができる。

「ありがとう。ご飯がゆっくり食べられるって本当に幸せ」

「いつでも預かるわよ。今晩はゆっくりしなさい」

「え? 今晩?」

 フォークを持つ手を止めて、母親の顔をポカンと見つめた。母親もまた不思議そうにしている。
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