【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
ふとサイドテーブルを見ると、100ドル札が2枚置かれているのに気がついた。
その下のホテル備え付けのメモ用紙に何か書かれている。
『現金がこれだけしか無くてごめんなさい。Merry Christmas !」
女性らしい筆跡で書かれたその言葉からは彼女の真面目さが読み取れた。
「ハハッ、メリークリスマス……か」
――お互いとんでもないクリスマスだったな。
勝手にいなくなったのに腹が立つこともなく、なぜか笑っている自分がいた。
それどころか胸がほんわりと温かくなって癒されるような気持ちだ。
それと同時に彼女のことが頭から離れなくなった。
一目惚れしたとか肌を重ねて情が移ったとかじゃない。
そんな感情を俺は持ち合わせていないから。
例えるなら胸の中心に熱い石を埋め込まれて、そこからジワジワと熱が伝わっていくような。
そしてその熱は時間を追うごとに全身に拡がり、いつしか俺の脳まで焼き切っていたらしい。