【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
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「――それではまたご用がありましたら遠慮なくお申し付けくださいませ。今度は担当の北見を向かわせますので」

 ニコリと微笑みながらお辞儀をした宮地さんが、ギャレーへと戻って行く。
 その後ろ姿を見送りながら、俺はファーストクラスのシートに深くもたれかかった。

「ハハッ、ハートを盗まれた……か」

 他の乗客と会話をしている菜月を見つめつつ、あの日の悠の言葉を反芻(はんすう)した。

 ――あのときは悠に向かって『馬鹿らしい』と一蹴(いっしゅう)したものだが……。

 結果的に、彼の言葉が正しかったということなのだろう。

 何故なら俺はあれからすぐに、利用する航空会社(キャリア)をJAWに変更し、飛行機に乗るたびに彼女の姿を探していたのだから。

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