【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「……どうして?」

 一体何が起こったというのだろう、今日はクリスマスイヴで、明日は彼の誕生日で、私は恋人に会いにきて……。

 しばらく茫然と立ち尽くしていたものの、目の前のドアが開くことはなかったし、徐々に自分の置かれた状況も把握できてきた。

 ようは私は遊ばれていただけで、彼には浅野さんという本命がいたということなのだ。

 たしか彼女も優也さんやミヤちゃんと同じフライトだったはず。
 他のクルーが外食の間に2人でいちゃついていたのだろう。


 ――ふっ、馬鹿みたい。

 何がサプライズだ、誕生日祝いだ。
 喜んでもらおうと張り切っていたのは自分だけで、優也さんにとっては迷惑でしかなくて。

 肩を落としてエレベーターに乗り込むと、最上階のバーに向かう。
 すぐに自分のホテルに戻らなかったのは、それでも一縷の望みを捨てきれなかったから。

 カウンター席に座ってカシスオレンジをオーダーすると、スマホを手に見慣れた彼の名前をタップする。

< 11 / 349 >

この作品をシェア

pagetop