【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「……どうして?」
一体何が起こったというのだろう、今日はクリスマスイヴで、明日は彼の誕生日で、私は恋人に会いにきて……。
しばらく茫然と立ち尽くしていたものの、目の前のドアが開くことはなかったし、徐々に自分の置かれた状況も把握できてきた。
ようは私は遊ばれていただけで、彼には浅野さんという本命がいたということなのだ。
たしか彼女も優也さんやミヤちゃんと同じフライトだったはず。
他のクルーが外食の間に2人でいちゃついていたのだろう。
――ふっ、馬鹿みたい。
何がサプライズだ、誕生日祝いだ。
喜んでもらおうと張り切っていたのは自分だけで、優也さんにとっては迷惑でしかなくて。
肩を落としてエレベーターに乗り込むと、最上階のバーに向かう。
すぐに自分のホテルに戻らなかったのは、それでも一縷の望みを捨てきれなかったから。
カウンター席に座ってカシスオレンジをオーダーすると、スマホを手に見慣れた彼の名前をタップする。