【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
動く歩道の途中でスマホに菜月からのメッセージが届く。
『第2ターミナルの展望デッキで待っていて。私のお気に入りの場所なの』
――そうか、菜月のお気に入りか。
恋人らしいやりとりに胸をムズムズさせつつ入国審査を終えてエレベーターに向かう。
今回の荷物は機内用の小型キャリーだけだからターンテーブルで待つ必要もない。
菜月は俺の仕事を心配していたが、じつを言うと今回のニューヨーク行きはうるさい親から逃げる口実だった。
もちろんせっかくだからニューヨーク店の視察をするつもりでいたし、ついでに日本人観光客向けの新しい宿泊プランの相談もしたいと思ってはいたのだが……。
――その行きの機内でまさか彼女に会えるなんてな。
本当にラッキーだったとしか言いようがない。
こうなってみると、結婚話を進めようとして俺を怒らせた親の行いに感謝してやってもいいくらいだ。