【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
心臓がドクドクと不穏な音を立て、足が震えだす。
怖い、苦しい、逃げ出したい……。
そのとき隣から「久遠臣海、待ちなさいよ!」という大声が聞こえ、ミヤちゃんがエレベーターに向かってツカツカと早歩きで向かっていった。
「ちょっと、ミヤちゃん!」
慌てて腕を掴んだけれど、彼女は止まろうとしない。
その剣幕に周囲が注目し、エレベーターのランプを見上げていた2人も振り返る。
狼狽える私の目に、驚きの表情を浮かべる臣海さんの顔が映った。
「菜月!」
臣海さんが小走りで近づいてくる。
心臓がドクンと大きな音を立て、直後に心拍数が急上昇した。
――どうしよう、なんて言えばいい?
彼に会えた嬉しさと恐ろしさが同時に襲ってきて、脳内はパニック状態だ。