【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「菜月、待ってくれ!」
「臣海さん、私、ごめんなさい」
「いや、俺が……」
そのとき白い綺麗な手が私から臣海さんを引き離した。
「臣海さん、注目を浴びていますよ」
「環妃さん、俺は彼女と話があるんだ」
「私とのお話が先じゃなかったんですか?」
臣海さんがぐっと詰まったところで環妃という女性が私に笑顔を見せた。
「自己紹介が遅れました。私は臣海さんの婚約者で、間宮環妃と申します。あなたは?」
そこから先のことはよく覚えていない。
自分も名乗ったような気がするし、臣海さんに後ろから呼び止められたような気もするけれど……とにかく頭の中がぐちゃぐちゃで、胸が痛くて苦しくて。
気づけばホテルを飛び出して、駅のホームに立っていた。