【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「仮の恋人じゃ……ないの?」
「はぁ!? 何を今さら! ちゃんと愛してるって言っただろう!」
電話の向こうの声がますます大きくなった。
けれど私の「だけど、仮が取れたとは言われてない!」の言葉に臣海さんが言葉を詰まらせる。
「そんなの俺はとっくに……くっそ〜、俺としたことが」
低い声でうめいたあとで、「菜月、愛してる……おまえは正真正銘の、俺の恋人だ」と言い切った。
だったらどうしてという私の疑問に答える形で、臣海さんが言葉を続ける。
「間宮環妃は親が決めた婚約者だ。今はまだ詳しくは話せないが、彼女との婚約を解消するために動いている」
今日はその話し合いのために会っていたのだという。
「ちゃんとケジメをつけるまで待っていてほしい。その時が来たら絶対に迎えに行くから」
――これで2回目。
『待っていてほしい』、『絶対に迎えに行く』、空港で送られたメッセージにも書かれていた言葉だ。
さっきはそれを信じきれずに逃げてしまったけれど……。