【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「私は臣海さんから直接聞くまでは信じません」
「……あなたも強情な人ね」
環妃さんは大袈裟に肩をすくめてため息をつくと、ハイブランドのバッグからスマホを取り出し電話をかける。
「鮎川さん、私の話は終わったわ。すぐに来てもらえる?」
たぶん近くの駐車場で待っていたのだろう。ほんの数分でスクエアタイプの眼鏡をかけた男性が現れた。
私と同年代か少し上だろうか。シャープな顔立ちをした彼は臣海さんの秘書だと名乗り、今日は環妃さんの付き添い兼、会長夫人である久遠千春の名代でここに来たと告げた。
「環妃様から聞いていただけたかと思いますが……」
そう言って彼が黒いブリーフケースから取り出したのは2百万の数字が書き込まれた小切手。
「こちらは会長夫人からの迷惑料でございます」
――迷惑料!?