【2/4 番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「こんなの勝手な想いかもしれないけれど……」

 臣海さんはきっと疲れているに違いない。
 早く彼に会いたい。抱き締めて子守唄を歌って癒してあげたい……。

 私はスマホをタップすると臣海さんのメッセージを表示する。

『愛してる』
『不安になったらこれを見ろ』

 ――うん、大丈夫。私にはこの言葉がある。

「愛してる……」

 何度だって心の中で繰り返す。愛してる、愛してる、愛してる……。

 呪文のように繰り返し唱えていると、ざわついていた心が徐々に()いでいくのがわかった。

「臣海さん、ちゃんと効果があったよ」

 スマホを両手で胸に抱き締めると、私はもう一度彼の言葉を繰り返した。

< 157 / 326 >

この作品をシェア

pagetop