【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 翌年1月末に母が亡くなり、葬儀の席に父親が現れて以降、祖母と久遠家の間で何度か話し合いの場が設けられた。

 アパートを訪れるのは主に秘書と弁護士で、そのたびに俺は畳の部屋に行くよう言われたのでどんな話し合いがされていたのか詳しくは知らない。

 しかしある夜、久遠龍臣と弁護士が揃ってやってきて、そのときはじめて俺も同席するように言われた。

『DNA鑑定の結果、臣海くんは間違いなく龍臣さんの息子であると確定いたしました』

 弁護士の説明の後で、久遠龍臣が俺を見つめる。

『私の息子として久遠家に来て欲しい』

 もう祖母との話はついていたようで、隣で『よろしくお願いします』と頭を下げるのを見たら、俺もそれに(なら)ってお辞儀するしかなかった。


 アパートに迎えにきた黒い車でフレンチレストランに連れて行かれたのは、その翌週のことだ。

 慣れないスーツを身にまとった俺が運転手に案内されて個室に入ると、大きなテーブルに久遠龍臣とその妻、そして社長秘書だという年配の男性が席についていた。

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