【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
ある日の週末、俺は家政婦に頼んでキッチンを借りると、同じく家政婦に買っておいてもらったパンケーキミックスでパンケーキを焼いた。
昼時に食卓についた父と義母の前に、俺がワゴンを押してパンケーキの載った皿を置く。
『これはなに?どういうこと?』
『あの、俺、料理が結構得意で……』
モジモジしながら答えた俺に、義母は大きなため息をついてみせる。
『KUONグループのトップがみずから料理なんてする必要は無いの。そんな時間があったらテーブルマナーを覚えなさい』
『ですが奥様、これは臣海様がご自分で一生懸命焼かれて……!』
家政婦が俺を庇うと、義母は表情を険しくした。
『臣海さんに余計なことをさせないでちょうだい。大事な後継者に何かあったらどう責任を取るつもり!?』
『違うんです! 俺がお願いして!』
焦ってテーブルに手をついた拍子に、俺の右手がパンケーキシロップの入ったピッチャーに触れた。
ガラス製のピッチャーは勢いよく倒れ、中から褐色の液体が零れ出る。