【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「早く菜月に会いたいな……」
動く歩道に差しかかったときポツリと呟いたら、後ろに立っている鮎川が「そうですね」と返す。
「きっと不安な気持ちで待っていると思いますよ。環妃様と私に詰め寄られて平気なわけがない」
「んっ、どういう意味だ?」
「環妃様が沖縄に戻られる前日、北見様のアパートにうかがいました」
――はぁっ!?
慌てて歩く歩道を下りて通路の脇に移動する。
そこで俺が追求すると、鮎川は表情も変えずに説明をはじめた。
「環妃様がどうしても2人きりでお話ししたいとおっしゃるものですから」
先にアパートに入った環妃さんが菜月と話をし、そのあとで鮎川も中に入った。
会長夫人から手切金を渡すように言われていたため高額を提示したが、菜月は受け取ろうとしなかった……と。