【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 すると突然臣海さんが、「菜月、俺の話を聞いてくれるか?」と言ってきた。

 今だってずっと話をしていたはずなのに……とは言えなかった。
 シーツ越しに聞こえる彼の声は、今までになく緊張感を帯びている。

 ――これはきっと、彼の深い深い部分のお話なんだ。

 はじめて会った夜にうなされていた姿を思い出す。
 そして『母さん……』というあの呟き。

 私が身体を起こして話を聞く体勢になると、彼もヘッドボードに背中を預け、ゆっくりゆっくりと語りはじめた。

< 210 / 349 >

この作品をシェア

pagetop