【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「……私は彼女の妊娠を知らなかったんだ」
――えっ!?
臣海さんと私は驚いて顔を見合わせた。
「今さら何を言っても言い訳でしかないが」とテーブルの上で組んだ久遠さんの両手が小刻みに震えている。
その沈痛な面持ちを見て、彼が本当のことを告げているのだと思った。
「いつか臣海には話さなくてはならないと思いつつも、どう切り出せばいいのか、どう伝えればいいのかわからないまま今まで来てしまった」
そして臣海さんから好きな女性ができたと聞かされたとき、今こそがそのタイミングだと考えたのだという。
「愚かな男の情けない昔話だ。しかしこれから未来を築く2人のためにも、恥を覚悟ですべて曝け出すべきなのだろう」
そして久遠さんは34年前の出会いと別れの物語を語ってくれた。