【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 今日のファーストクラスの乗客は臣海さんただ1人だ。
 驚くことに彼が全8席をリザーブして貸し切りにしてしまっている。

 ――昨日、電話で話した時にはそんなこと言ってなかったよね!

 私が『明日はスタンバイだから今日は自分のアパートに帰るね』と伝えたら、『そうか、俺もロンドンに出張だ』なんて言っていたのに。

『お仕事頑張ってね』って言ったら『菜月も頑張って』なんて答えてたくせに……。

 ――ロンドンじゃなくてニューヨークじゃないの!

 乗客が臣海さん1人なら、担当も私1人しかいない。

 生まれて初めて経験するガランとした客室で、それでもウエルカムシャンパンをサーブしたりCAと客としての対応を開始する。

 けれど、やっぱりこんなのは異常事態で。
 チーフパーサーやミヤちゃんはじめみんなを巻き込んでまで作り出されたこの状況に、否応でも胸をドキドキさせている自分がいて。

 ――だってこんなの、期待するに決まってる。

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