【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「あのね、臣海さん、もしもプレゼントをくれるというのなら……臣海さんのお部屋で料理を作らせて欲しいな、なんて」
嘘つきな元カレはともかく、臣海さんならオカンの私も受け止めてくれるはず。
だから勇気を出して希望を伝えると、途端に臣海さんが目を輝かせた。
「菜月の手料理って、そんなの俺へのご褒美じゃないか! 菜月、最高だ! キスしていいか?」
「えっ? あ……っ」
素早く唇を重ねられ、私はひたすら目を白黒させるしかない。
「ちょっ、返事も待たずに勝手に……っ、聞いた意味が無いじゃない!」
「だって菜月は俺のキスが好きだろ? 嫌いか?」
「そりゃあ好きだけど……って、ここは家じゃないから!」
そんな私にお構いなしで、臣海さんは真っ赤な顔をのぞきこむ。
「ハハッ、中華鍋、買いに行くか?」
そう口角を上げて言われてしまえば、私なんてあっという間にイチコロで。
「……買う」
すっかりツボを心得られているのを悔しく思いつつも、私は彼と手を繋ぎ、頬を緩めて歩き出すのだった。