【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
百貨店に向かっている途中で臣海さんのスマホが鳴って立ち止まる。
「くそっ、鮎川だ。なんだ、デート中に」
ちょっと失礼……と歩道の隅に彼が向かったそのとき、前方から見知った顔が歩いてくるのが見えた。
――えっ、優也さんと浅野ルリさん!
2人も私に気づいたらしく、優也さんは困惑顔、そして浅野さんは勝ち誇った顔で近づいてくる。
「北見さん、こんにちは。こんなところで会うなんて奇遇ね。1人でお買い物かしら」
「いえ、その……」
臣海さんとの交際を彼の許可なく勝手にバラすわけにはいかない。
早く立ち去ってくれないものかと思っているのに、浅野さんはなおも会話を続ける。
「今から私たち、ヴィトンのカフェでお茶をするところなの。行ったことある? あそこのラテアートが……」
「ああ、あそこのラテアートはモノグラムで綺麗でしたよ。写真を見せましょうか?」
「臣海さん!」