【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
気づくと臣海さんが隣に立っていて、私の肩をグイと抱き寄せながら優也さんと浅野さんに微笑みかけた。
仮面のような作り物の笑顔が、逆に彼の怒りを現しているようだ。
「私達もつい先ほどコース料理をいただいてきたばかりなんですよ。なっ、菜月?」
その言葉に優也さんと浅野さんが目を見開く。
「北見さん、あなたどうして久遠様と……!」
けれど臣海さんが彼女の会話を遮った。
「ああ、そこの彼女……。菜月、この人、なんて名前だったかな?」
こちらを見て問いかけられて、私が「浅野さんのこと? どうして?」と答えると、臣海さんがわざとらしく肩をすくめて見せる。
「ああそうだ、浅野さんね。君にもらったメアドの書かれたメモ用紙、すぐに捨てたものだから名前を失念してしまったんだ」
優也さんが驚愕の顔で浅野さんを見て、浅野さんは青い顔で目をそらす。