【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「えっ、え〜と、あの夜は大変お世話になりまして……」
応接セットや執務机の置かれた広い部屋の奥に、チラチラと目をやる。
私はこの間取りを知っている。
間違いない。あそこから続く奥の部屋が、寝室だ。
私は2年前のクリスマス、この部屋からそそくさと逃げ帰ったのだ。
そんな私の視線を追った久遠様が、ニヤリと口角を上げる。
「そうだ、あの奥が寝室。先にベッドに行くか?」
――ひゃっ!
「てっ、手を出したら大声を出しますよ。私を軽い女だと思わないでくださいね!」
「ふ〜ん、軽い女じゃないって?」
ドアを背にして虚勢を張る私を、彼の両腕が囲い込む。
顔の左右にバンと手をついて、そのまま上から見下ろしてきた。