【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
――この人、正真正銘のクズ!
「いい加減にして! ちょっと顔がよくてお金持ちだからって、誰もがあなたに夢中になるわけじゃないの。私は酔って迷惑をかけたことを謝りに来ただけだし、恋人でもない人と寝たいとは思わないから!」
床に落としていたバッグを拾ってドアチェーンに手をかけたところで、後ろから肩を掴まれる。
「悪かった!」
――えっ!?
この偉そうにしている男が謝ったということを信じられず、口をぽかんと開いて振り返る。
臣海さんは片手で前髪をかき上げながら、上目遣いで口を開いた。
「……気持ち悪いんだ」
――はぁ?
「ちょっと、人の顔を見て気持ち悪いって、どういう……」
「菜月と寝てからだ。あれ以来、他の女とヤっても満足できなくなった」
――ええっ!?
「満足って、臣海さん、何言って……」
「菜月のエロい表情や泣き顔がしょっちゅう頭にチラつく。胸がモヤモヤして、常に違和感がある。まるで喉に小骨が引っかかったみたいだ。ひたすら気持ち悪い」
「えっ……」
「けれどもう一度寝てみれば、このモヤモヤした違和感の正体がわかるはずなんだ」
「いや、それはちょっと、話が飛躍しすぎじゃないですかね」
彼の切羽詰まった表情に危機感を持った私は、すぐに逃げるべしと判断し、再び彼に背を向けた。
「付き合おう!」
大声で叫ばれて、私の肩がビクンと跳ねる。
ゆっくりと振り向けば、くっきり二重の真剣な瞳が見つめていて。
「付き合ってくれ。恋人じゃないと寝られないっていうのなら……今すぐ俺の女になればいい」
「は?」
――はぁーーーーっ!?