【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 ――付き合おうって……。

「ねえ、もしかして臣海さんは、私のことを好きなの?」
「はぁ!? 何言ってるんだ」

 なぜか心底驚いた顔をしている。
 いやいや、こんなの誰が聞いても私と同じ診断をくだすでしょ。


「だって私の顔を思い浮かべるとか胸がおかしいとか、そんなの恋した時の症状でしょ。私も優也さんと付き合っていたとき……んっ!」

 最後まで言い終える前に彼の顔が近づき、ぶつけるみたいに唇を塞がれた。

 ――嘘っ!

 顔を左右に振って逃れようとするも、彼の両手で顔をガッチリと固定される。

「や……っ」

 か細い声をあげた途端、唇の隙間をこじ開けて彼の舌が滑り込んできた。
 彼の舌先は、まるでそこだけ別の生き物のように器用に動き、私の口内を蹂躙(じゅうりん)していく。
 舌の裏を根元から舐め上げられると、あまりの心地よさに腰が砕けそうになった。


 ――うそっ、彼のキス、上手すぎる……。

 優也さんとだって何度もキスをしていたはずなのに、今この瞬間にその記憶がすべて吹き飛んだ。
 こんなに官能的で痺れるような口づけは初めてだ。


 ――ううん、違う。

 私はこのキスを知っている。
 あの夜の私は、この(とろ)けるような口づけを喜んで受け入れたのだと、身体の細胞が教えてくる。

 そして今また、この快感にすべてを委ねてしまいたくなっていて……。


 トロンとしたところで唇が離れ、現実に戻る。
 抵抗もせずに受け入れていた自分が恥ずかしく、口をおさえてうつむいた。

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