【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

【side菜月】

「美しい月と書いて美月(みつき)はどうだろう」

 ニューヨークから帰国した翌朝、臣海さんがベッドの上で私を腕枕したままそう言った。

「まだ赤ちゃんの性別がハッキリしていないときに女の子用に考えてた名前なんだ。でも男の子だってわかってからも候補から消すことができなくて……結局最後まで残してた」

 女の子っぽ過ぎるだろうか……と聞かれて私は首を横に振る。

「美しい月って素敵だと思う。臣海さん似の男の子なら絶対に美形だし似合うんじゃないかな。でも、私の名前から一文字入ってるけど、臣海さんはいいの?」

 臣海さんの『臣』や『海』。またはお義父(とう)さまの名前から『龍』の文字とか亡くなったお母さまから『冬』だとか、もっと使いたい漢字があったんじゃないかと思うのだ。

「いや、最初から菜月の名前から一文字もらうって決めてたから」

 質問をぶつける私に、臣海さんは当然だという顔で答える。
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