【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「あっ、痛たたたた……っ! やっぱりたぶん陣痛!」
徐々に痛みの感覚が短くなってきて、痛みのレベルも強くなってきたようだ。
「今すぐクリニックに行こう!」
「10分間隔になるまで待つようにってマタニティクラスで言われたじゃない」
「それはそうだが、向こうに着く前に出てきたら困るじゃないか」
「すぐには出ないから。ふふっ、臣海さん焦りすぎ……いたた……っ」
「ほら、やっぱり!」
「だからまだだってば!」
少しでも多くの知識を得ておきたくて俺も菜月と一緒にマタニティクラスに通ったけれど、そんなもの痛みで顔を歪める妻の前ではまったくの無力だ。
頭が真っ白になってオロオロすることしかできない。
「菜月、お腹をさすろうか? 呼吸はヒッ、ヒッ、フーだぞ」
「それは産む前でしょ、まだ早い。こんなに動揺してる海さんはレアだね。レア臣海さんが見れてラッキーだ」
逆に菜月のほうが俺をリラックスさせようとしてくれている。
笑顔を見せつつも時おり顔をしかめている。変わってやりたいのに何もできないのがもどかしい。