【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「臣海さん、近すぎ!」
「菜月が離れすぎなんだ」
「だからって、こんな体勢……なんだか、恥ずかしいし」

 声を小さくしながら呟いたら、「俺だって……」と頭上から聞こえてくる。

「俺だって、ここからどうしたらいいのかわからなくて困ってるんだ。すぐにセックスに突入しないのなんて初めてだしな」

 ――うわっ、鬼畜!

 胸を押して離れようとしたところで、ギュッと強く抱きしめられて額にキスが降ってきた。
 脚が絡められ、彼のつま先が私の足首をなぞる。


「こういう時はどうしたらいいんだ? 菜月、教えてくれ」

 そう言われて見れば、目の前にある彼の胸板はしっとりと汗ばんで、ドクドクと大きな音を立てている。
 それが心臓の音だと気づいたとき、彼も緊張しているのだとわかった。

 そしてさっきから私の下腹部あたりに当たっている硬い感触は、彼のモノに違いない。
 こんな興奮状態になりながらも、彼は我慢してくれているというのだろうか。


「臣海さん、遊び人のくせに……」
「そうだな、でも……菜月とは遊びにしたくない」

「どうして?」
「菜月は堅物(かたぶつ)だし、こういうのに慣れてなさそうだし」

 ――堅物!?

 驚いた。遊んでそうとか軽そうとは言われても、堅物だなんて言われたことがない。
 あの夜だって酔って見知らぬこの人に抱かれた女だ。ちょろいと思われてもおかしくないのに……。

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