【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「おはようございます。本日はご利用いただきありがとうございます」
羽田空港の第2ターミナル。
ニューヨーク行きの便で乗客の搭乗が開始されると、チーフパーサーたちが入口に立って挨拶をはじめた。
私もファーストクラスの通路脇に立ち、乗客を迎えるべく背筋を伸ばす。
――どうしよう……。
「久遠さま、おはようございます」
「おはようございます」
――あっ、来た!
遠くから乗客とCAが交わす挨拶が聞こえてくると、私の心拍数が急上昇する。
いよいよだと身構え大きく深呼吸した。
「……久遠さま、おはようございます」
キャリーケースを引くゴロゴロという音が目の前で止まると、私はマニュアル無視で、彼と目を合わせないよう素早く頭を下げて挨拶をした。