【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 ――やっぱりアレ? フォアグラに飽きたから納豆ご飯を食べたくなるとか、そういうやつ? 

 いや、臣海さんが納豆ご飯を食べる姿なんて想像できないけれど。

「臣海さんって、納豆ご飯を食べたことある?」
「朝はしょっちゅう食べているが? それと恋人になるのに何か関係があるのか?」

 キョトンとした顔で聞き返されて、そうか、高級フレンチに飽きたわけではないのかと安心する。
 だからそのまま説明すると、怪訝そうに顔を覗き込まれた。

「馬鹿なことを言うな。今まで付き合いたいと思えなかったから誰とも付き合わなかった。菜月とは付き合ってもいいと思ったからそう言った、それだけのことだ」

「そこに愛は、あるんでしょうか……ね」
「……わからん」

 その言葉にガッカリしている自分がいる。
 
――そうか、私を好きになったから付き合いたいと言ったわけじゃないんだ。


『好きだ』と言われたらうなずいていたであろう自分を思い、なんだか情けない気持ちになる。
 子守唄をせがまれて甘えられて、そんな姿を自分だけに見せてくれたと優越感を持っていたのかもしれない。

 そんなの彼の常套手段なのかもしれないのに。いきなり抱かせろと言うような人なのに。

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