【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
苦笑しつつ首を小さく横に振っていると、「だが……」と臣海さんが言葉を続けた。
「俺には愛なんてわからない。だが、2年前のあの夜、この女を抱きたいなって思ったんだ」
「ふふっ、軽いノリ……」
そんな彼に絆され始めていた自分が馬鹿すぎて、本気で泣きたくなる。
「鼻水垂らしてわんわん泣いて、汚ねぇなぁって思いながらも、なぜか心臓のあたりが温かくなった」
「汚ねえって何よ」
「化粧も崩れてグチャグチャのボロボロで、でも、そんなおまえがいいなって思ったんだ。この女を他の男に任せちゃ駄目だ、慰めるのは俺だって……」
そして抱いたと思ったら朝には消えていたのだと、ため息をつく。
「たった一晩の相手だったのに、おまえのことが頭から離れなくなった。胸がモヤモヤするこの妙な違和感の正体を知りたいと、ずっと思っていた」
「……だから抱きたいって?」
「そうだ。けれど今は抱けなくたって一緒にいたいと思うし、大事にしたいと思う。これがおまえの言う愛だというのなら、きっとそうなんだろう?」
――そんなの私にだってわからない。あなたの愛は私の愛とは違うから。