【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 メープルシロップをパンケーキに垂らしていた私は、それを見つめる臣海さんのキラキラした眼差しに気づく。

「臣海さん、もしかしてパンケーキが好きなの?」

 だったら同じものをオーダーすればよかったのにと思いつつ聞いてみると、彼は小さく首を横に振る。

「いや、俺は男だし、甘いものなんて……」
「好きなものに男とか女とか関係ないでしょ。私のを少し食べる?」
「えっ、いいのか? いや、俺がパンケーキなんてイメージが……それに手がベタつくし」

 まだゴニョゴニョ言っているけれど、これは絶対甘いもの好きに違いない。

 ――ホテル王ともなるとイメージを気にしなきゃいけないのか、大変だな。

 私はクスッと笑いながらパンケーキを半分にカットして、それを臣海さんのお皿に載せた。

「半分こしましょ。手が汚れたら洗えばいいだけのことじゃない。私もパニーニをもらっていい?」
「あっ、ああ、もちろんだ」

 彼も斜めにカットされたパニーニの半分を私の皿に移動させる。これでシェアの完了だ。

「同じメニューになったね」
「そうだな、お揃いだ」

 同時にパニーニにかぶりつくと、サクッとしたトーストの間からチーズがトロリと伸びて落ちそうになる。
 慌てて口を運び、顔を見合わせて笑った。

 こんなふうにしていると、本当の恋人みたいでくすぐったい。

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