【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
考え込む私に臣海さんがムッとする。
「おい、おまえ今、元カレのことを考えただろう」
「へっ?」
やけに低い声に背筋が伸びる。
「中華鍋を拒否られたって、泣きながら言ってたもんな」
「嘘っ、私、優也さんとのことをどこまで話して……」
「くそっ、俺ならいくつでも中華鍋を持ち込ませてやる、今すぐ買いに行くぞ!」
「えっ、パンケーキがまだっ!」
私がシロップの染み込んだパンケーキに目をやると、テーブルに手をついて立ち上がった臣海さんが、舌打ちしながら動きを止めた。
「まぁ、パンケーキに罪はないからな」
「そうそう、パンケーキに罪はない。あっ、生地がフワフワでシロップが上品な甘さ! 臣海さんも食べてみて!」
慌てて話題を逸らした私に彼が険しい目を向ける。
「パンケーキに罪はないが、約束を破った菜月にはお仕置きする」
「えっ、お仕置きって……んっ!」
彼が身を乗り出してきたと思ったら、後頭部を引き寄せてキスされた。
「ん……っ」
――ここはお店の中なのに!