【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 頭を固定されたまま目を白黒させていたら、たっぷり5秒はしてからチュッと派手なリップ音を立てて、唇が開放される。

 椅子に座っていてよかった。たったこれだけなのに、腰が砕けそうになっている。

「うん、甘いな……メープルシロップも買っていくか」
「ちょっ……!」

 素知らぬ顔で座る臣海さんに大声をあげそうになるのものの、気合いでグッと(こら)えた。
 周囲をキョロキョロ見渡してから、小声で苦情を申し立てる。

「ちょっと、場所をわきまえて!」

「舌を入れたわけじゃあるまいし、こんなキスくらいじゃ誰も気にしないさ。それより……昨日言っておいただろ、また他の男を話題に出したら、泣くまでキスをやめてやらないって」

 再び()わった目で言われ、恥ずかしさと戸惑いと喜びがごちゃ混ぜになって湧き上がる。

「続きのキスはホテルの部屋に帰ってからだ。ここで泣かせるわけにいかないしな」

 あからさまな彼の嫉妬を嬉しく思ってしまったことは、今はまだ言わないでおく。

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